2025
11.19
WEB

競合サイト分析の具体的な手法|デザイン・コンテンツ・SEO戦略とは

「競合サイトを見てみましょう」と言われても、実際に開いてみると、なんとなく綺麗で、なんとなく情報が多い。それだけで終わってしまった経験はないでしょうか。競合分析がうまくいかない原因はセンスや経験ではなく、比較する軸を決めずに眺めていることにあります。

結論から言うと、競合サイト分析は7つのステップで回せます。①競合を検索結果から選ぶ → ②3〜5社に絞る → ③デザイン → ④コンテンツ → ⑤SEO → ⑥ツールで数値を確認 → ⑦やることを3つに絞る。しかも⑥まではすべて無料ツールで足ります。必要なのは予算ではなく、毎回同じ順番で見る「型」です。

本記事では、岡山の中小企業でWeb担当を兼任されている方でも一人で回せるように、競合サイト分析の具体的な手順と比較項目、そして分析結果を改善につなげる方法までを整理してまいります。

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競合サイト分析とは?何のためにやるのか

競合サイト分析とは、同じ検索結果に並ぶ他社サイトを決めた項目で比較し、自社サイトの改善点と優先順位を特定する作業です。目的は他社を真似ることではなく、限られた予算と時間をどこに使うかを決めることにあります。

「なんとなく見る」と「分析」を分けるのは、比較軸の有無

競合サイトを開いて感想を述べるだけでは、翌週には何も残りません。分析にするには、見る前に項目を決めておく必要があります。同じ項目で3社を並べれば、自社が劣っている点と勝っている点が自動的に浮かび上がります。

比較する領域は、大きく次の4つに分けられます。この記事のステップ3以降は、この4領域を順番に見ていく構成になっています。

競合分析で比較する4つの領域1デザイン迷わず辿り着けるか2コンテンツ自社にないページを探す3SEOKW・内部構造・速度4数値順位と流入で裏を取る
▲ 競合分析で比較する4つの領域

分析から得られるのは「気づき」ではなく「優先順位」

競合分析の成果物は、気づきのメモではありません。「次の3か月で何を直すか」という優先順位です。具体的には次の3つが手に入ります。

  • 差が大きく、直せば効く箇所:競合にあって自社にないページ、明らかに劣っている表示速度など
  • 差はあるが、追わない箇所:予算や体制上、現実的に勝てない領域(撤退の判断も成果です)
  • 自社が勝っている箇所:もっと前面に出すべき強み。意外と自社では気づけません

7ステップの全体像

先に全体像を示します。所要時間は、初回でも3社分で2〜3時間程度が目安です。

ステップ やること 使うもの
1. 競合を見つける 狙うキーワードで検索し、上位10件を書き出す Google検索(シークレットウィンドウ)
2. 3〜5社に絞る 役割ごとに競合を選び分ける スプレッドシート
3. デザインを比較 導線・可読性・スマホ操作性を項目で採点 スマホ実機、後述の比較表
4. コンテンツを比較 ページ構成・情報量・更新頻度を確認 sitemap.xml、カテゴリ一覧
5. SEOを比較 狙っているキーワード、内部構造、表示速度 PageSpeed Insights ほか
6. 数値で裏を取る 自社の現状値と競合の推定値を突き合わせる Search Console、GA4
7. やることを3つに絞る 影響度×工数で並べ、上位3つだけ着手する スプレッドシート

【ステップ1〜2】競合サイトの見つけ方と絞り込み方

ここでつまずく方が最も多いのですが、答えはシンプルです。競合は営業上のライバルではなく、狙うキーワードの検索結果に並んでいるサイトで選びます。営業で競合している会社が、検索では競合していないことは珍しくありません。

ステップ1:検索結果から競合を洗い出す

まず自社が獲りたいキーワードを3〜5語決め、シークレットウィンドウで検索して上位10件のURLを書き出します。ログイン状態や過去の閲覧履歴が結果に影響するため、通常のウィンドウでは正確に見えません。

  • 同じキーワードでスマホ/PCの両方を確認する(順位が違うことがあります)
  • 広告枠ではなく自然検索の枠を見る
  • ポータルサイトや比較サイトが上位を占めている場合、そこに掲載されている企業も競合候補になる
  • 自社が何位にいるかも同時に記録しておく

どのキーワードを選ぶべきか迷う場合は、検索する人が何を知りたいのかを先に整理すると精度が上がります。考え方は検索意図(ユーザーインテント)の捉え方で解説しています。

ステップ2:3〜5社に絞り、役割を分けて選ぶ

10件すべてを分析すると必ず息切れします。次の3タイプから合計3〜5社に絞ってください。役割を分けておくと、比較の結論が出しやすくなります。

タイプ 選ぶ基準 見るべきこと
直接競合(1〜2社) 同じ商圏・同じ規模で、実際に案件が競合する会社 強みの打ち出し方、価格や実績の見せ方
上位表示競合(1〜2社) 商圏は違うが、狙うキーワードで上位にいるサイト ページ構成、見出しの立て方、情報量
参考にしたい非競合(1社) 業種は違うが、サイトの作りが優れている企業 導線設計、写真の使い方、更新の型

【ステップ3〜5】デザイン・コンテンツ・SEOの比較項目

ここからが分析の本体です。ポイントは、感想ではなく○×か3段階の評価で記録すること。数値化しておけば、半年後に同じ項目で再測定したときに変化が見えます。

ステップ3:デザインは「迷わないか」で採点する

見た目の好みではなく、ユーザーが迷わないかどうかで見ます。とくにスマートフォンの実機で確認することが重要です。PCの画面幅を縮めただけでは、実際の操作感は分かりません。

  • トップページを開いて3秒で、何の会社か分かるか
  • 問い合わせ・資料請求のボタンが常に見える位置にあるか
  • 目的のページまで何回タップで到達するか(3回以内が目安)
  • 文字サイズと行間が、スマホで読み進められる水準か
  • フォームの入力項目は何個か(少ないほど有利)

余裕があれば、自社サイトにヒートマップツールを入れて、実際にどこまでスクロールされているかを見ると精度が上がります。ただし初回の分析では、上の5項目を3社分並べるだけで十分な差が見えます。

ステップ4:コンテンツは「量」より「網羅の抜け」を探す

コンテンツ比較でやるべきなのは、記事数を数えることではなく、競合にあって自社にないページを見つけることです。効率的な方法は、競合サイトのURL一覧を確認することです。

  • 競合の ドメイン/sitemap.xml を開き、ページの一覧と構成を把握する
  • サービス紹介、事例、料金、よくある質問、コラムのどれが厚いかを見る
  • コラムは最新記事の日付を確認し、更新が続いているかを判断する
  • 1記事あたりの情報量(見出し数、図表の有無、専門性の深さ)を比べる

「競合には料金の目安ページがあるが自社にはない」「事例が競合は50件で自社は8件」。この形で抜けが特定できれば、それがそのまま次に作るページになります。

ステップ5:SEOはキーワード・内部構造・速度の3点

SEOの比較は、深追いすると終わりません。中小企業が最初に見るべきは次の3点に絞って構いません。

  • キーワード:競合の上位ページのタイトルタグとh1・h2を読み、どの語で獲りに来ているかを把握する
  • 内部構造:パンくずの有無、カテゴリ設計、関連ページ同士が内部リンクでつながっているか
  • 表示速度:競合と自社の主要ページを同じツールで測り、スマホのスコアを比べる

表示速度はPageSpeed Insights(Google)で競合サイトのURLも測定できます。検索エンジンに理解されやすいサイトの基本条件は、Google検索セントラルのSEOスターターガイドにまとまっています。

【ステップ6〜7】ツールの使い分けと、改善への落とし込み

ここが競合分析の成否を決める部分です。分析を終わらせないために、最後に必ず「やること3つ」まで絞り込みます。10個の課題を並べたレポートは、ほぼ実行されません。

ステップ6:無料ツールでどこまで分かるか

有料ツールがなくても、最初の分析は成立します。まずは次の組み合わせで始めてください。

ツール 分かること 対象
Google Search Console 自社が実際に表示・クリックされているキーワードと順位 自社のみ
GA4 よく見られているページ、離脱の多いページ、成果への経路 自社のみ
Google検索(手動) 順位、上位ページの構成、狙われているキーワード 競合も可
PageSpeed Insights 表示速度と改善提案(スマホ/PC別) 競合も可
sitemap.xml の閲覧 競合のページ構成とページ数 競合も可

自社側の数値を先に押さえておくことが前提になります。Search Consoleの基本はGoogle Search Consoleの使い方、GA4はGoogleアナリティクス(GA4)の基本と見るべき指標で解説しています。競合の流入規模まで推定したい段階になったら、有料の分析ツールを検討する価値が出てきます。

ステップ7:影響度×工数で並べ、上位3つだけ着手する

抽出した課題を、次の2軸で並べ替えます。左上(影響大・工数小)から順に着手し、着手するのは3つまでと決めてください。

改善は「影響度×工数」で絞る先に着手する影響が大きい工数が小さい自社だけで決められる後回しにする影響が読めない工数が大きい他社の予算規模が前提
▲ 改善は「影響度×工数」で絞る

たとえば「料金の目安ページがない」は影響大・工数中、「表示速度がスマホで30点」は影響大・工数中、「トップの写真が古い」は影響中・工数小。この3つに絞って四半期で終わらせるほうが、10項目のレポートを作って何も動かないより確実に前に進みます。

岡山の中小企業が競合分析を続けるためのコツ

続かない理由は、やり方が難しいからではなく、毎回ゼロから考えているからです。項目を固定し、四半期に1回・1時間の作業にしてしまうことが、兼任担当者にとって現実的な運用になります。

「四半期に1回・1時間」の型をつくる

初回に作った比較シートを、そのまま使い回します。項目は変えず、値だけ更新していくのがコツです。

  • 比較シートは1枚(縦に項目、横に自社+競合3社)
  • 毎回同じキーワードで順位を記録し、推移を見る
  • 前回の「やること3つ」が終わったかを最初に確認する
  • 年1回だけ、競合の選定そのものを見直す

地域の競合と全国の競合を分けて見る

岡山県内の企業が競合分析を行うときは、「岡山+業種」で並ぶ地域競合と、業種名だけで並ぶ全国競合を分けて記録することをおすすめします。地域競合には勝ちやすく、全国競合からは構成を学ぶ、という使い分けができます。

また近年は、Google AIによる概要やChatGPTなどの生成AIが回答内に企業名を挙げる場面も増えています。この領域での見え方も比較対象になりつつあり、考え方はAIO・GEOとは?AI検索時代のSEOの考え方で整理しています。

やってはいけない3つのこと

最後に、競合分析でよくある失敗を挙げておきます。

  • 構成やコピーの丸写し:独自性がないページは評価されず、法的リスクもあります
  • すべての競合を追いかける:予算規模が違う相手と同じ戦い方をしても消耗するだけです
  • 分析で終わる:レポートは成果物ではありません。着手した改善だけが成果です

よくある質問(FAQ)

SEOの競合分析はどのくらいの頻度で行うべきですか?

四半期に1回が目安です。検索順位やコンテンツの状況は月単位では大きく動かないため、毎月行っても得られる情報は増えません。ただしサイトのリニューアル直後や、順位が急に落ちたときは、その時点で臨時に確認してください。

競合サイトが狙っているキーワードは、無料で調べられますか?

おおまかには可能です。競合の上位ページのタイトルタグ、h1・h2の見出し、メタディスクリプションを読めば、どの語で獲りに来ているかは推測できます。検索ボリュームや競合の流入数まで正確に知りたい場合は、有料のキーワード分析ツールが必要になります。

競合が何社もいる場合、どこまで分析すればよいですか?

3〜5社が上限です。直接競合1〜2社、狙うキーワードの上位表示競合1〜2社、参考にしたい非競合1社という構成にすると、比較の結論が出しやすくなります。社数を増やすほど分析は精緻になりますが、最後まで終わらない確率も上がります。

競合分析の結果を、どのように社内で共有すればよいですか?

長いレポートではなく、比較シート1枚と「次にやること3つ」に絞って共有するのが効果的です。経営判断が必要な項目(料金の掲載、事例の許諾取得など)だけを別に切り出しておくと、意思決定が早く進みます。

競合分析は自社でやるべきですか、外注すべきですか?

初回は外部の視点を入れ、2回目以降は自社で回す形が現実的です。初回に比較の項目と型を作る部分がもっとも難しく、そこができていれば以降は担当者が値を更新するだけで運用できます。自社サイトの現状把握から一緒に進めることも可能です。

まとめ|競合分析は「型」にしてしまえば、一人でも回せる

競合サイト分析は、センスや高額なツールが必要な作業ではありません。競合を検索結果から選び、3〜5社に絞り、デザイン・コンテンツ・SEOを同じ項目で比べ、無料ツールで数値の裏を取り、最後にやることを3つに絞る。この7ステップを型にしてしまえば、兼任のWeb担当者でも四半期に1時間で回せます。

大切なのは、分析を目的にしないことです。レポートの厚さではなく、着手して終わった改善の数だけが検索順位と問い合わせを動かします。まずは狙いたいキーワード1語で検索し、上位10件を書き出すところから始めてみてください。

岡山県倉敷市のホームページ制作会社・株式会社クラビズでは、競合分析の項目設計から自社サイトの現状把握、改善の実装と運用までを同じチームで伴走しています。「どこから手を付けるべきか分からない」「順位が伸びない理由を知りたい」といった段階からでもお手伝いできますので、まずはお気軽にご相談ください。

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