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クラビズコラム
2025.06.15

Webサイト制作を依頼する前に!見積書で確認すべきことと注意点


「そろそろ新しいWebサイトを作りたい」「今のホームページをリニューアルしたいけど、何から始めたらいいんだろう?」
そう考えているあなたは、Webサイト制作を外部の専門業者に依頼することを検討していることでしょう。しかし、いざ制作会社を探し始めると、多くの会社があり、提示される見積もりも会社によってバラバラで、一体何が適正価格なのか、どこに頼めばいいのか分からなくなってしまうかもしれません。
Webサイト制作は、単に「見た目を整える」だけでなく、あなたのビジネスを成長させるための重要な投資です。だからこそ、漠然とした依頼や、見積もりの内容を理解しないまま発注してしまうのは避けたいもの。
この記事では、あなたが後悔しないWebサイト制作を実現するために、見積書で特に確認すべき項目と、見落としがちな重要な注意点を徹底的に解説します。これを読めば、きっと納得のいく発注ができるはずです。

これを見れば安心!見積書に記載される「項目」を徹底解剖

Webサイト制作の見積もりは、まるで料理のレシピのようなものです。「カレー一式」と書かれても、どんな材料が使われているか分かりませんよね?それと同じで、「Webサイト制作一式」のようなざっくりした見積もりは危険信号です。
制作会社から見積もりを受け取ったら、まずは以下のフェーズごとの項目が具体的に記載されているかを確認しましょう。何にいくらかかるのかを把握することが、失敗しないWebサイト制作の第一歩です。

1. 企画・戦略フェーズの見積もり・費用項目

サイトの「骨格」を決める重要な段階です。
ヒアリング・打ち合わせ費用: あなたのビジネス、ターゲット、Webサイトを作る目的などを深く理解するための費用です。ここがしっかりしている会社は、あなたの要望を正確に汲み取ってくれます。
企画・提案費用: サイト全体の戦略、コンセプト、構成などを立案し、提案書にまとめる費用です。サイトの方向性を決定する土台となります。
市場調査・競合分析費用(オプションの場合あり): 必要に応じて、競合サイトの分析や市場トレンドの調査を行う費用です。
この企画フェーズに関しての費用を企画費用とせずにディレクション費用として見積もり項目に入れている企業も少なくありません。その場合注意するポイントとしてはディレクション費用が一式とされている場合は、日数がどのくらいで計算されているのか?日割り計算されているのか?それともどんな内容が含まれているのか確認すると良いかと思います。

2. デザインフェーズの見積もり・費用項目

サイトの「見た目」と「使いやすさ」を形にする部分です。
トップページデザイン費用: サイトの顔となるトップページのデザイン費用です。訪問者の第一印象を左右するため、非常に重要です。
下層ページデザイン費用: トップページ以外の各ページのデザイン費用。ページ数やデザインのテンプレート数によって変動します。
レスポンシブデザイン対応費用: パソコン、スマートフォン、タブレットなど、あらゆるデバイスで適切に表示させるためのデザイン費用です。現代において、これは必須と言える項目でしょう。

ワイヤーフレーム・UI/UX設計費用: ユーザーインターフェース(UI:見た目や操作性)やユーザーエクスペリエンス(UX:使いやすさや体験)を考慮した設計費用です。
画像素材費・イラスト制作費: サイトで使用する写真素材の購入費用や、オリジナルのイラスト制作費用です。
ここに関しては、最近はレスポンシブデザイン自体が当たり前になってきているのでレスポンシブデザイン費用もトップページや下層ページに含まれるケースがあります。またトップページは1枚のデザインであるのに対して、単価は下層ページよりもデザイン費用は高くなります。理由としては、トップデザインがWebサイトとしての顔になるためデザイン制作にかかる時間が圧倒的に異なるためです。
画像素材やイラスト制作費用について、もし自社で準備することができる場合であれば制作会社に交渉することで制作費用を抑えることができる場合があります。

3. システム・開発フェーズ見積もり・費用項目

デザインをWeb上で「動く」形にする技術的な部分です。
HTML/CSSコーディング費用: デザインをWebブラウザで表示できるようにするための専門的な作業費用です。
JavaScript/jQuery開発費用: スライドショー、アニメーション、お問い合わせフォーム、各種ツール連携など、動きのある機能を実装するための費用です。
CMS(コンテンツ管理システム)導入・カスタマイズ費用: WordPress(ワードプレス)のようなCMSを導入し、あなたが簡単に記事や情報を更新できるようにするための費用です。ブログ機能や新着情報など、自分で更新したい場合はこの項目が重要です。
データベース構築費用(必要な場合): 大量の情報を管理するユーザー情報や商品データなど、データベースが必要な場合に発生する費用です。
各種システム連携費用(必要な場合): 外部のシステム(例: ECサイト機能、予約システム、顧客管理ツールなど)とWebサイトを連携させる場合にかかる費用です。
オリジナル機能開発費用(必要な場合): 既製ではない独自の機能やシステムを開発する場合の費用です
この項目に関しては、Webサイトでどのようなことがしたいということによって費用も大きく異なってきます。例えば、ちょっとサイトを動かしたいといったイラストの表現に対しても費用がかかるケースがあります。
この項目において、特にJavaScript/jQuery開発費用については開発中のちょっとした要望で変動する可能性もありますのでご注意ください。デザインが仕上がってきくるとイメージがしやすくなり『こんなことがしたい!』『これいいな〜もっとこんなことがしたい』と初期の想定以上のものを盛り込みたくなります。この点を注意して企画段階にしっかりと自分がWebサイトでしたいことを明確にしておくことが大切です。

4. コンテンツ制作フェーズ

サイトに掲載する「情報」を生み出す部分です。
ライティング費用: サイトに掲載する文章(キャッチコピー、サービス説明、ブログ記事など)をプロが作成する費用です。読者の心に響く文章は、サイトの成果を大きく左右します。
撮影費用: プロによる写真撮影や動画撮影の費用です。商品やサービスを魅力的に見せるためには欠かせません。

この費用については、コーポレートサイトの場合であれば自社のパンフレット等の文言などや過去の修正する前の文言などを利用するケースもあるためライティング費用はある程度抑えられるかと思います。
一方で撮影費用については、制作会社によっては別会社に依頼するために費用が高くなるケースもありますので自社でお付き合いのあるカメラマンなどがいればそちらに依頼する方が良い場合があります。相見積もりなどをとって検討することをおすすめします。

5. テスト・公開・運用フェーズ

サイトを「完成」させ、運用を「継続」していくための部分です。
動作テスト・デバッグ費用: サイトが問題なく動作するか、バグがないかを確認し修正する費用です。
サーバー・ドメイン設定費用: サイトをインターネット上に公開するための「住所(ドメイン)」と「土地(サーバー)」の設定費用です。
SEO(検索エンジン最適化)対策費用: あなたのサイトがGoogleなどの検索エンジンで上位表示されやすくなるための基本的な対策費用です。
アクセス解析ツール導入費用: Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを導入し、サイトへの訪問状況を分析するための費用です。
運用・保守費用: サイトは公開したら終わりではありません。公開後の定期的な更新、バックアップ、セキュリティ対策、技術的なサポートなど、サイトを健全に保つための費用です。月額や年間契約の場合が多いので、ここもしっかり確認しましょう
動作テストやデバック費用は、大きなサービスサイトを制作する場合であれば開発環境にかかる費用等が項目として含まれますが基本的に含まれないケースがほとんどです。一方でサーバーやドメイン費用は必ずかかるものですのでコーポレートサイトやLPといったサイトであれば、自社で準備することをおすすめします。
SEO対策費用についてはコンテンツを定期的に配信する必要があるので長期的にかかる場合はほとんどです。この対策を一緒に依頼する場合には長期的に費用がかかりますがSEOでアクセスが安定することができればリード獲得や顧客認知度が高くなります。

見積もり金額だけでは見えない!失敗しないための「極意」と「注意点」

見積書の内訳を理解したら、次に気をつけたいのが、金額だけでは分からない「質」や「条件」です。以下のポイントは、Webサイト制作を成功させるための「極意」とも言える重要な注意点です。

1. 要件定義は「具体的」が鉄則!

「かっこいいサイトにしたい」「問い合わせが増えるようにしたい」といった漠然とした要望だけでは、制作会社も適切な見積もりを出せませんし、後々の「こんなはずじゃなかった」に繋がりかねません。
サイトを作る目的、ターゲット層、必要な機能、ページ数、納期、そして予算など、できる限り具体的に言語化して制作会社に伝えましょう。この「要件定義」が明確であればあるほど、見積もり精度が上がり、無駄な追加費用やトラブルを防ぐことができます。
要件定義という言葉で二の足を踏んでしまいがちですが、この「要件定義」を明確にするためには、Webサイトを作る目的を明確にすることで必然的に「要件定義」が明確になってきます。

2. 必ず複数社から「相見積もり」を取る

可能であれば、2~3社以上の制作会社から見積もりを取ることを強くお勧めします。同じ要件でも、会社によって得意分野や料金体系、提案内容が異なります。複数社を比較検討することで、適正価格や、あなたのビジネスに最も合ったサービス内容を見極めることができます。

3. 「追加費用」の条件と発生ケースを明確に確認する

見積もり金額以外に、追加費用が発生する可能性とその条件を事前に確認しましょう。例えば、「デザイン修正は○回まで無料、それ以降は別途費用」「機能追加時は別途見積もり」など、契約書に明記されているか、口頭だけでなく書面で確認することが重要です。契約後に予期せぬ費用が発生するのを防ぐためにも、この確認は怠らないでください。
特にデザインの場合でよくあることとしては、もう少しこの色を変えたいといったことが発生してくる場合もあります。そのためパターン出しは2つ以上するのかどうか?1つだけなのか?なども見積もり時に確認しておきましょう。

4. サイト公開後の「運用・保守」体制をチェック

Webサイトは「作って終わり」ではありません。公開後も、セキュリティ対策、コンテンツの更新、バックアップ、アクセス状況の分析、機能の追加・改善など、継続的な運用・保守がサイトの成果を左右します。
見積もりや提案書に、公開後の月額費用やサポート範囲が具体的に記載されているか確認しましょう。どのようなサポートが受けられるのか、更新作業はどこまで含まれるのかなどを明確にしておくことで、長期的な視点で安心してサイトを運用できます。

5.制作実績(ポートフォリオ)は必ずチェックする

見積もり金額や担当者の説明だけでなく、その制作会社が過去に手がけたWebサイトを必ず確認しましょう。デザインのテイスト、技術力、あなたのイメージするサイトと合うかどうかを見極めることができます。実績は、その会社の信頼性と実力を示す何よりの証拠です。

6.担当者との「コミュニケーション」も重要な判断材料

見積もり段階から、担当者とのコミュニケーションがスムーズかどうかも重要なポイントです。あなたの疑問に丁寧に答えてくれるか、こちらの意図を正確に理解しようとしてくれるか、信頼できる相手かどうかを見極めましょう。円滑なコミュニケーションは、プロジェクト成功の大きなカギとなります。
実は最も重要なポイントとして、このコミュニケーションがあげられます。会社としての実績が良かったとしても担当者との相性が合わないと思ったイメージや目的が伝わらない可能性もあります。十分に担当者と意思疎通ができているかも金額以上にチェックしてみてください。

まとめ:賢く選んで、あなたのビジネスを加速させるWebサイトを手に入れよう!

Webサイト制作は、あなたのビジネスを次のステージへと押し上げるための重要な投資です。単に「安さ」だけで判断するのではなく、その「価値」と「信頼」を重視してパートナーを選びましょう。
この記事で解説した見積もり項目と注意点を踏まえることで、あなたはきっと、後悔のない制作会社選びができ、期待通りの、そしてビジネスに貢献するWebサイトを手に入れることができるはずです。
もし、この記事を読んでさらに疑問が湧いた場合は、遠慮なく制作会社に質問をぶつけてみてください。あなたの疑問に真摯に答えてくれる会社こそ、長く付き合える信頼できるパートナーとなるでしょう。